ピザ釜の特性
ピザ用の釜は基本的に石でできています。これは石や土砂で火を囲い、内部で火をおこして調理をする炉のことで、材質がブロック、耐火セメント、陶土、粘土でも、石砂土は同源ですから石釜(窯)ということになります。
ナポリピッツアの店で見る機会のある石釜はかなりの重量物で、一度設置すると数十年間使うことができます。釜の中では薪などを燃やし、温度が次第に上がって、その熱が釜に蓄熱されます。これで輻射熱を放射し始めると薪を掻き出してしまっても大丈夫です。
こうした蓄熱性を利用して調理をするのが石釜の特徴なのです。ピザは石釜の高い温度帯の時に焼くもので、それよりも下がるとパンを焼き、もう少し下がるとミートや魚のロースト料理に使えます。
もちろん大型で本格的なものになる程、蓄熱量も大きく、予熱をかける時間も増えます。時間をかけるということは、薪や炭を燃焼させ続けるということになるので、できるだけ大人数で楽しむのが基本となります。
通常の燃焼室の材質は、耐火レンガ、陶土の素焼、耐火セメントなどとなり、内部の燃焼室は耐火性と蓄熱性が求められます。
個人で作ろうと思えば、ブロック組みのピザ釜ということになるでしょう。ブロックを組み上げて、使い終わったら分解できるタイプのものなら、簡便性が高く、安く作ることができます。
ただし、ピザ釜自体の質量が少ないので蓄熱能力もやや不足することがあり、その対策としてブロックの上から蓄熱素材を追加すれば、ブロックを分解することができなくなってしまうので、この点はそれぞれの環境で判断することになるでしょう。